スラッシュ
衣 ミコ


君は僕を
パーツごと
正しい言葉に分けて
時々、音を付けて歌い
だけどけして
名前を呼んではくれない

悔しくて書いた
「探して」と
ひと言だけ記した手紙
赤いポストの前で
困った郵便屋さんが
羊の群れに山羊を探す
姿を思い浮かべる

(もう一度元の私に戻せる
君の才能を信じているから)

切り刻まれたパーツのぶんだけ
ありがとうって笑ってる


自由詩 スラッシュ Copyright 衣 ミコ 2015-01-18 05:29:04
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