ぼくらは
青井

ぼくらはたったひとりなのだ
いくら目を凝らしてみたって
ぼくらはたったひとりなのだ
恥も外聞も捨ててしまおうよ
ぼくらはたったひとりなのだ
いくら耳を澄ませてみたって
ぼくらはたったひとりなのだ
名前はもう忘れてしまおうよ
ぼくらはたったひとりなのだ
そうさどうしようもないのさ
ぼくらはたったひとりなのだ
目に見えるものだけ信じよう
ぼくらはたったひとりなのだ
ロッカーの鍵はもう開かない
ぼくらはたったひとりなのだ
歯磨き粉が右頬についている
ぼくらはたったひとりなのだ
プリンが食べたくなってきた
ぼくらはたったひとりなのだ
この街はどこまでも薄ら寒い
ぼくらはたったひとりなのだ
ああ
ぼくらはたったひとりなのだ
そう どうしようもないんだ


自由詩 ぼくらは Copyright 青井 2015-01-16 20:57:49
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