けものみち
衣 ミコ


積もる雪が暫しの暇を
流れる雨が暫しの癒しを
与えてくれている間に
答えを探して
這いまわる
けものの
みち、

愛を験す事はしてはけないと
高尚な教えに諭されて見えなくなっていた
聖人でも賢者でもないけものの
選択は完璧ではなくて
それでも今傷付きながら
なんとか生きてきた
なんとか生きているなら
畏れに負けずに何度も問い掛ける

天地がひっくり返っても
平気で生きていける
すべて抱き締める
そんなしたたかな情を身に付ける
けものの
みち、

またたく目蓋
鋭い眼差しを
閉じ込めた
永い眠りから
いつか醒めたい
ぼくたちの
みち、


自由詩 けものみち Copyright 衣 ミコ 2015-01-16 02:09:30
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