現実と抽象
吉岡ペペロ
ヒマワリが肩を組んで仲良しだ
熱にうかされて夢をくりかえして見ていた
数字には現実の数字と希望もしくは失望の抽象的な数字がある
当たり前すぎて現実と抽象はごっちゃになっている
ヒマワリが肩を組んでこちらを見て笑っている
こちらとはぼくでありカメラだ
いや、カメラはヒマワリとぼくのあいだにあるだけだ
あいだにあるというのは抽象だ
現実ではないのだ
当たり前すぎて現実と抽象はごっちゃになっている
あいだにあるというのは抽象で現実にはヒマワリとぼくを違う次元で俯瞰しているのだ
現実と抽象をわきまえこの世を見ることで
たとえば政治的なお題目の嘘に気づけたり恋人の不実に現実的になれたりするのではないか