ホコロビガールズ
瑞海



セーターの袖
靴下の親指
カッターシャツのボタン

私たちホコロビガールズ

チロリ
ナロリ
テロリ

あの子もこの子も嫌いなの
その子とあっちの子は好きなの
心 どっからか 糸が出てきたわ

縫ってくれるパパは死んじゃった
私たちで綻び治せるように ね
針に糸を通さなきゃ
冷たい針は痛いなぁ
我慢してよね、少し
血の受け皿がないよ

糸通す瞬間苦手なの
どうして?
意識吹っ飛んじゃって
あの時のことを思い出すのよ
鈍器の音とか 血の匂いとか
ろくなことがないね

パパはママから私達を
救い出した救世主
とっても素敵
あの時の「大丈夫」は
世界で一番
大丈夫じゃない大丈夫

さぁ
出来たよ
荷物を詰めて
素敵な時間は終わったのよ
新しい世界へ踏み出すの
もう泣かないで パパはいないの

午前3:25の駅前バス停
そこに新しい世界があるって
パパは言ってたの
これからは
3人で
生きるの

向かいましょう
私たち
世界で一つの

ホコロビガールズ


自由詩 ホコロビガールズ Copyright 瑞海 2015-01-12 22:26:25
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