sweet noise/即興ゴルコンダ(仮)投稿.4
こうだたけみ

甘い雑音、甘美な陰口、心地よいならそれはもうノイズじゃないなと考えながら、家路につく人々の間すり抜けて歩くあるくプラットフォーム、警笛を鳴らし滑り込む電車の風圧に舞い上がる髪押さえつけ、右足から乗り込んで確保する座席は一人分、座れるって理由だけで選ぶ各駅停車、たった数駅で足の踏み場もない車両はベッドタウン行きひた走るはしる、そういえば最近は朝のアナウンスに「気をつけていってらっしゃいませ」が加わって、ほっこりするやらおかしいやらで口許が緩む、けれど見回しても笑ってる人なんかどこにもいないから、これがスイートノイズってやつの正体だと思うんだたぶん、街は耳まで届かない、というか届く前に消失する音で埋め尽くされていて、すべて聴こうとするだけで軽くトリップできるよきっと、誰もがお上手にしらばっくれているから、一人だけ馬鹿正直だなんてお腹がすくだけだって


自由詩 sweet noise/即興ゴルコンダ(仮)投稿.4 Copyright こうだたけみ 2015-01-11 17:05:39
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