殺戮の海
瑞海
いつも傍には
君がいることが
当たり前だったのだ
いつの間にか
僕が殺すことが
必然であったのだ
だから後悔することなんて
何も無い
はずなんだ
黒い夜に
ベッドの上で眠りに落ちる
途端に目隠しされて
飛ばされた赤い海
たくさん浮かんでいた
僕ばかりであった
小さい僕から
老いぼれた僕
海の中突っ立って泣いた
その延長線上に浮いている
硝子のケース
その中に凛と咲く百合は
君だったんだね
前の僕だとそれを壊し
切り刻んだだろうね
でももう
赤い海に引かれて
溺れてゆくから
自由詩
殺戮の海
Copyright
瑞海
2015-01-09 23:39:03