大草原の星の王子様
るるりら

【大草原の星の王子様】



いつしか はだかになれない自負が
少年を呼び寄せたのだろうか
ひつじの絵を書いてと言われて
ツノを書いてしまった

ダメじゃんぼくの星で おじさんの思い描いたことは
ほんとうになるんだよ 「山羊じゃん。角があるし‥‥‥」
なあんて少年に言われてしまった

ひとのこころをけんこうにねむらせる
めざめのための羊が良かったのかも、だったら角はダメかも
sheepが一匹 sheepが二匹
群れをなして生活している動物は
二匹でも三匹でもsheepで Sなんてつかない
エスというより むしろ羊はエムなのかもしれない


おじさん あのね だめだとおもったんだけど、(少年の瞳の中で草原の匂いがしている)
山羊でいいや
おじさんが箱の中に描いてくれた羊がたくさんになったよ
みんな群れたがるんだ
おじさんの描いてくれた一匹の山羊に みんなついていくんだ
僕は心配してたんだよ だって僕の星はほんとうに
ちっぽけなんだ ひつじが星の草を全部食べてしまうところだったよ
だけど みんな山羊のいうことを よく聞くんだよ

山羊は最初 好い奴とは思えなかったんだ だって
よわよわしい山羊には 凶暴な角があったし でも
よわよわしい薔薇にも 角があって 山羊には薔薇が愛おしいらしい
だから薔薇の笑顔は いまも薫っている

すべてが沙漠に思えるときも
星を見上げると
ね おじさんにも みえるだろう
大草原の羊の群れと 香しい薔薇が




***************************
あけましておめでとうございます。

サンテグジュペリの名作「星の王子さま」をヒントに
ひつじどしに ちなんで書いてみました。
 「山羊じゃん。角があるし‥‥‥」という箇所は
角川文庫版では そのような訳になっているようです。



自由詩 大草原の星の王子様 Copyright るるりら 2015-01-09 11:26:57
notebook Home 戻る