ひっぱりあいっこ
瑞海
私たち糸で結ばれてたの
小指とか そんな細いものじゃなくて
身体 繋がれてたの
隣にいれば百人力だったのに
ゴールが違うことに気付けば
全く進まなくなってしまう
それに私たち 我儘だから
押せば押し返して
引けば引き返す
意地っ張りの力で
糸は締め付けてゆく
目の前は靄がかかってしまって
君の顔ももう思い出せない
君の声も聞こえない
もちろん 気持ちもわからない
笑顔も 漏れる溜息も
ガラスみたいに輝いてたのにね
“繋がれたまま すれ違う”
いつかどちらかが
締め付けられすぎて
痛くて泣いて崩れてゆくのを
待っているの ずっと
でも本当のことを僕らは言わない
プライドか なにかかな
引っ張り合うのが楽しみなんだ
私たち
いつからこんなになった?
わかんないね もうね