おかえりなさい
そらの珊瑚

ほどよく乾いた小枝や
抜け落ちた羽根や
通り過ぎていった月日の
さまざまを
ちりばめておく
もうそこは
きみのねぐら以外のナニモノでもない

広い宇宙のなかで
ただひとつだけ
選んだ平安な場所に
帰っていく

夕陽が染める朱の街の往来
静かな地球の回転
絵画のような鳥の隊列

人もねぐらに帰ってゆく

指切りが
怖かった
嘘ばかりついてと
叱られたから
必ず私は
針千本
飲むだろうから
だけど
たとえ 
あなたが
昼に嘘を何万回つこうが
そんなものは
飲ませない

だから

本当も嘘も
何もかも手放して
眠る夜の幸せを
目指して
生きているなら
生きているなら
今日も
帰っておいでと
冷えた
冬の
小さな指を
空で
結び合う

ねえ
生きているなら



自由詩 おかえりなさい Copyright そらの珊瑚 2015-01-08 09:50:28縦
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