自由
ふわふわ
浅はかな自由を追いあの風見鶏は失墜した
今私たちは乱れている
何もかもが自由だなんだ
オレの権利だ私のものだ
まやかしのコインの様に貪られている事に気づかずに
私の片半分は一体どこへ行ったのだろう
彼もまた
まだ見ぬ世界を追って旅に出たのだろうか
現か夢か
どちらが重い
けれど事実私たちは揺れ動いている
自由という名の暴力に
憧れ 抗い そして消されていく
個人という名の人間はもはや存在しないのではないか
全てが共有され全てを理解した気になって
優しげな郷愁も
哀れな軽蔑も
いっしょくたに一つになって
もはや自由の旗は自由の意志の元に動いており
そこに個人はいないではないか
私たちは一体どこへ行ったのだろう
だがそれを考える私たちの片半分はもう
存在しない