神の誕生1お天道様
イナエ

子どもの頃
お天道様は何時もぼくの行為を
見張っていた

そして
お天道様は意地悪だった
自転車の二人乗りをしていると
石ころを置いて ハンドルを揺らし
転倒させるのだ
倒れながらちらり見た空には
お天道様の明るい顔

熟した隣の庭の柿
手を伸ばしもぎとったそのとき
頭にかかる糞
見上げればお天道様がいた

はじめて取った 数学の満点
答案用紙を手に
踊る陰を踏みながら帰った日
お天道様が後ろ着いてきた

やがて
お天道様は 
ぼくの中に住み着き
ぼくのすることを
吟味するようになったのだ


自由詩 神の誕生1お天道様 Copyright イナエ 2015-01-01 12:26:03
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