新しい陽
瑞海




足元まで
まっすぐ伸びる光は
新しい陽だ

地平線よりもずっと向こうまで
伸びている、終わりがない
直感で分かる

少年少女を照らす新しい陽は
希望の光か 影の援護か
分からぬまま
ふたり手を繋いで
光を見て泣く

ふたりは
永遠が無いのを知っている
もう終わりの命である
もうお別れだ、と少年が笑うと
少女の足元に海が出来た
沈みゆく少女を少年は引き上げ
海のそばで逝った 笑った
涙と混ざった塩水は
蒸発し 新しい陽にも溶けてゆく

少女は濡れた肌を
陽に晒らし
少し笑った

生きなくちゃ



自由詩 新しい陽 Copyright 瑞海 2015-01-01 00:44:31
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