新しい陽
瑞海
足元まで
まっすぐ伸びる光は
新しい陽だ
地平線よりもずっと向こうまで
伸びている、終わりがない
直感で分かる
少年少女を照らす新しい陽は
希望の光か 影の援護か
分からぬまま
ふたり手を繋いで
光を見て泣く
ふたりは
永遠が無いのを知っている
もう終わりの命である
もうお別れだ、と少年が笑うと
少女の足元に海が出来た
沈みゆく少女を少年は引き上げ
海のそばで逝った 笑った
涙と混ざった塩水は
蒸発し 新しい陽にも溶けてゆく
少女は濡れた肌を
陽に晒らし
少し笑った
生きなくちゃ