いたみのあと
たいら

にきびを潰すように
かさぶたを剥がすように
傷んだ記憶を
わざわざ夢に見る

治りが早くなる、だとか
嘘ばかり教えられた
何度も傷付けては
垂れる液体を拭う

意味の無い反復行動
いい加減学習するべき
けれど癖になったのかな
無意識にまた触れてる

治らない、忘れない
傷痕、いたみのあと
痺れるような痒さも
気持ち良く感じたら
不幸に溺れ
傷口は膿み
雨の下、ぬかるみのような
ぐちゃぐちゃのかさぶた
そっと剥がすたび
少しだけ生まれ変わる。


自由詩 いたみのあと Copyright たいら 2014-12-30 16:10:01
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