夢の中だけ
瑞海

夜も冷えてきて
歩いて来た道が
どんどん凍りついてゆく
帰れなくするように

悲しくなって
一本道のその先の
海の上を歩いてゆく
魚は悲しそうな目で
こちらを見ている
地平線まで凍ってしまった
世界は止まる

孤独であるから
どんどん目を背けてしまって
もう 二度とは


月昇る時に
瞳を閉じると
掌 熱を帯びていく
辺りは芽吹き
野原が出来て
白い君がここへ帰ってくる

野原に押し倒して
耳元で愛してる、と呟いて
いつも夢から醒めている

そうだ

冷たく暗い海から
僕を引き上げられるのは
君だけなのだ

夢のように
温かく 儚い
綺麗で 醜い
君なのだ



自由詩 夢の中だけ Copyright 瑞海 2014-12-29 00:30:09
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