ともなく
青井
見るともなく見て
聞くともなく聞いている
見るつもりも聞くつもりもないが
目と耳が世界を拾ってくる
触れるともなく触れて
嗅ぐともなく嗅いでいる
意思がなくても五感は働いて
ぼくは常に世界を感じている
この身体はつくづく不可解だ
不随意筋が多すぎる
心臓も肺もみんな勝手に動いている
まるでぼくのものじゃないみたいに
こうしようとかああしようとか
考える前からぼくは生きている
生きようと思うでもなく
生きるともなく生きている
自由詩
ともなく
Copyright
青井
2014-12-26 15:59:21