すくって
瑞海



生まれた時に
僕は一瞬心臓が止まった

僕はまだ
目も見えなくて
いっぱい空気も吸えなくて

その時未知の世界で
どうしても どうしても生きたい
と思った

神様にお願いした
僕の寿命を延ばしてもらうよう

神様は
“あなたを大切にしてくれる人を
大切にすればよいのだ”
と言うだけでした
そうして僕は生まれた

あの時はまだ分からなかった
こんなにも難しいなんてね
笑っちゃうな
17年しか経っていないのに
僕はもうすぐ息絶えそうだ

水を手で掬って飲むように
君に助けてほしい
世界のグレーの水の中から
僕を救ってほしい



自由詩 すくって Copyright 瑞海 2014-12-25 01:34:25
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