dystopia
衣 ミコ


夜の帳を押し上げて
陽が昇る
すべてが地に均された
荒野の一面に
広がる金狗尾を
女が摘んでいる
その姿は美しい

夕暮れの後の闇を連れて
月が昇る
建ち並ぶ摩天楼
すべてが天に伸び上がり
宵の明星に
手を伸ばす一群を
男が導いている
その姿は美しい

完璧な理想は虚しい
君はなぜと嗤う


自由詩 dystopia Copyright 衣 ミコ 2014-12-24 10:32:36
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