雨音
とよよん

全ての音を呑み込んで
数多の感情を閉じ込めて
滝のようにどうどうと
流れを作り
足下をさらってゆく



声がどこからか聴こえ
空耳と捉える感情は冷たく
誰かの唄は
届かない漆黒へと吸い込まれた



私の身体は透明で黒い
ヴァイオリンになった

空っぽの器
身体が轟音に同調する
響き渡り 駆け抜ける
つま先から 頭のてっぺんまで
そして内臓は影を薄めていき
ただ満たされる




(2014年初夏にTwitter投稿した短詩3篇を編集したものを、メビウスリングにてこひもともひこ氏がアレンジしてくださいました)


自由詩 雨音 Copyright とよよん 2014-12-22 16:58:11
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