腐れ外道(憂鬱の愛撫)
kaz.
もう遅い。君は叫ぶだろう、倒れていく数々の唇を、燃えていく語尾の散らす火花を前にして。辺りに飛び火していく頃、君の眸の向こう側には、死人が出ているのさ。言葉を奪っていった魂が、私の中の無限の回廊を駆け巡って、輪廻をくぐって顔を出す。朝、君の顔は日焼けして、太陽に染み着いた黒点のような黒子が映え渡っている。冴え冴えしい、君の栄光を称えて! 誰もが口々に告げ、夢の中でぶちまけた、罵詈雑言の雨を飲み干す。ああ、喉が渇いた。君のせいだ。最初から、分かっていたんだろう。それなら何故、もっと速く水をよこさない。