あたらしいよかん
Seia

ついて間もなく
ダブルクリックすると
まだ
なまぬるくて
どこかのだれかを感じた

空はつながっているって
たぶんほんとう(ですかね)
すこし
淀んでいるけど
ベニヤ板一枚
隔てて

必要なことを
必要なだけ
検索とか
ダウンロードとか
しおえて
上を向いたら
細長い(好き)
じゃなくて月
がたくさん

薄暗い階段を降りながら
白い息
ふわふわただよう
マフラーを装備して
戦闘態勢よおい
いち
にの
さんで雪が降る

あたらしいよかんがする
地平線の向こうへ
言い過ぎた
大通りの向こうへ
ひかりがとびちっている
とけていないと
とけたのあいだのとけかけ
半径5センチの染みをキックしても
手応えはない
それでいいけど

ポストの前で
職務質問するひと
されるひと
いったいあの格好
西暦何年からきたのか
案の定
確認されてるし
もとのところへ帰されるのかな
なんてよそ見をしてたら
看板にぶつかりそうで
よけたらホログラム
まぎらわし

このしろいのも
全部プログラムだったらな
だったらさみしいか
そうでもないかな
どうだろうね

ひとりでじぶんと会話すること
最近増えたかもな
だれかと
だれでもいいんだけど
喋ってないからかな
だれでもは
やっぱうそかな

これだけ
満ち満ちた空間が広がっていても
顔をあげると
キラキラしたさみしさに
ハッとしたりして
ちょっとだけ
いつもたりない
それほどおおくは
もとめていないんだけど
なまぬるい
マウスぐらいの
あたたかさがほしくて
またここへ
きてしまうのかな

間違えて押した
つめたい缶コーヒーに
わたしの体温が
ちびちびと
うばわれていく


自由詩 あたらしいよかん Copyright Seia 2014-12-22 14:50:35
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