その霜に似た輪
日々野いずる
車が過ぎ去った
強く吹きつける音に似た
それとも本当に風
あなたの過ぎる音
一風 巻き上げた髪が
雪崩れる
風は自由に雨戸を鳴らした
髪は自由に吹き荒れた
風呂のぬくもり
あがる寒さ
ベランダで冷える髪
紫煙と白い息
その手にある輪
震える
もう霜のようにおりきってしまった
冷え冷えとした金属が締めつける
もがく指がかじかむ
手にかじりかぶりつく
あたためる ぬめり 外す
自由詩
その霜に似た輪
Copyright
日々野いずる
2014-12-22 05:26:03