とあるポートレートの印象、
mugi
すけるほどにうすい、
絹のような繊維の束が、
みずうみのそこでゆれている、
身体の発育と、
精神の成熟のことなる、
理念で圧縮されたじかんの、
それらがひとつに溶解するようすを、
ながめている、
うつくしいものはかなしい、
こざかなたちが挨拶のキスをするように、
その繊維をついばむと、
かれらもまた尾ひれからほどけて、
ほそい糸へとかえっていく、
そのようにあらわされた線描であることを、
おもいだしたかのように、
ひとつの意味のおわりを自覚している、
まなざし、