言葉はいらない、いのちの歌を聴け
南無一


言葉にするんじゃなかった
自分の感じたことを 苦心して
やっと言葉にして発したのに
誤解され 非難され さんざんな目にあった
こころの思いというものを
言葉などで表現しきれるわけはないのだ
所詮 言葉は 不完全

言葉なんか信じるんじゃなかった
平気で嘘をつき ひとを騙す
言葉を信じたおかげで 
ずいぶん辛い目に遭ってきた
言葉はいくらでも飾り付けられる
真実のまえに すべての言葉は無意味だ
所詮 言葉は 仮のもの

生きとし生けるものは みんな歌をうたっている
しかしそれは言葉ではない
小鳥たちが うたっている
虫たちが うたっている
耳をすまして 全身で その歌を聴け
それは旋律 それはリズム
たましいにやさしく伝わってくるもの
それこそが いのちの音律

この世に存在するものは みんな歌をうたっている
それは無言の歌
風が うたっている
光が うたっている
眼を閉じて たましいで その歌を聴け
言葉は虚しい 言葉は空々しい
言葉なんかに惑わされるな
あの歌が聴こえるものに 言葉はいらない


風と光にさそわれて 木々の梢も うたいだした
万物とつながっている いのちの歌を聴け
そこにこそ 真理(Providence)が 耀いている




自由詩 言葉はいらない、いのちの歌を聴け Copyright 南無一 2014-12-20 16:33:23
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