へそと歴史(ボイン編)
角田寿星


はじめのズン類はふたりでした
手をつないでいたから間違いありませんでした
トリとサンサスンスンといいました
なまえをつけたがるのは神さまのわるいクセでした

ふたりのズン類は丘のうえに立ち
トリとサンサスンスンはたがいのなまえを呼びあい
朝陽を夕陽をみあげ歌をうたい見つめあって
ところでズン類はふた種類いるのでした
美しいとしかいいようのないふた種類の性器でした
それは神さまのおぼしめすところで
トリとサンサスンスンは神さまによく見えるように
丘のくぼみに横たわっておまんこをするのでした
さわやかな風がふくのでした
ズン類のふれ合う肌をしめやかになぞるのでした

ほどなくズン類は確変大フィーバーしたのでした
すなわちじゃんじゃんばりばりちんちんかもかもでありました
おまんこの成果が予想をはるかに超えたわけですが
無理もありませんでした
たくさんの神さまがトリとサンサスンスンをおもちゃにして
ズン類の性器をボインをいらいたおしたのです
性感帯の開発は神さまのもっとも得意とする分野でした
ズン類の美しい性器はうるうるともり上がり
たえまない拍動と羞恥と昂奮と絶頂がかわるがわる波のように
トリとサンサスンスンはたがいの瞳をみつめ
声にならない声ではふはふ言って
ありのままにありのままのありのままで
生れたままに生れたままの生れたままで
「****、あふあふ、***!」「うっふーん、****な****」
「ちゅちゅ*****ぱぱ…」「**、**、**…*、*……」「は、
ふぁ、ふぉ、*******」「***?」「♯◎∞¥」「****!!!」
!!!!!!!!


   ああ


見渡すかぎりのズン類の海でした
乳白色の粘稠に富んだなだらかな下腹部のふくらみでした
いくぶんしめった恥ずかしげにほほえむ草むらでした
よせてはかえすすべてのいのちがそこにありました
みんなみんなしあわせでした
あしたのことなど知りもしないのでした

そして
抱きしめあうのでした


自由詩 へそと歴史(ボイン編) Copyright 角田寿星 2005-02-02 22:54:24
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