ひきだしあいた/即興ゴルコンダ(仮)投稿
こうだたけみ

前にテラリウムが入ってた二段目のひきだし
あいたんだ陽に当てようとして風の強い日に
窓辺でひらいておいたらレースのカーテン風
にひらひらして棘からまってバラなんかじゃ
なく多肉植物の棘々がひっかかってひきだし
ごと大きな音たててひっくりかえったの昨日

きのうはなんのひだ

幼稚園のおともだちに『きょうはなんのひ?』
って絵本もらったんだそれから三日ぐらい考
えたんだけれど答えはどこにも見つからなく
ってえーっとねえーっとねってお下げ髪の先
っぽをいじっくってみたりしてその絵本は押
し入れの襞々に仕舞ってしまいましたとさ

そのせいか幼い私は物語を見つけては端から
毛を毟るからどの物語も禿げたか物語になっ
て風に舞い上がっては肌ついばむからつい汗
ばむからだ空焚きのお風呂で洗ってしまいた
いけどその水は水色だからまだ入ってはだめ
なの煮詰まって点になるまで待っていて永遠

ものがたりはどこへ

声が聞こえるとこへ餓鬼肥えるとこ描き越え
るとこ絵が聴こえると乞えが喜古得る床へと

もうへとへとになってくたくたになってぺこ
ぺこになってくたくたになっぱぺろぺろにな
ってぱんぱんになってぶくぶくになってとん
でったふぅぅぅふぅしなさいやけどするから

11って割りきれない数字は嫌いでもないけど
好きでもないから口に放り込んで舌で二つに
割って一個ずつ飲み込んでみるみる消化でき
ない何かが残る私あなたのこと好きだけども
ういいかなって思うもうたくさんだって思う

もぬけのからのひきだしの板のうえの私たち
あけてもかわいいものなんてどこにもなくてゴメン


自由詩 ひきだしあいた/即興ゴルコンダ(仮)投稿 Copyright こうだたけみ 2014-12-19 01:06:05
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