あさひに問う
かんな




質量のないさかなの群れが
雲の上をすいすいと泳いでゆく風景をわが子と見ている
色彩の細道にちいさく咲いた花々の
枯れゆく姿を眺めては何か言いたげに顔をこちらに向けるね
夜に月が浮かんでいるねと言うと
夜は海なのとききかえしそうだからわたしはわが子の頭をやさしく撫でる
世の中の不思議を探してごらんといつか言おう
きみの解ける謎も海に溶けていく謎も誰かが説く謎もあるだろうから
酒を交わす時があるだろうから言っておくね
赤ワインのグラスに水を注いでいったら
きみとわたしとの血のつながりなど簡単に薄まってゆくのだろうか
こたえは明日の朝日にきいてみてもいい




自由詩 あさひに問う Copyright かんな 2014-12-14 21:35:18
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