YOU
黒ヱ

風が突き抜けていく
物言わぬもの 同じように揺らして

立っている
この広い 地と空の遠く広がる風景に ふたり
仲人は 纏う緩やかな温い風

手を繋いでいる
結んだものの重さに 離したものを想う
赤く繋がっていた それなのに

「ごめんなさい」

いつでも思い出せる
何をも 無くせない ただ一つのもの
大切なもの

広く 遠く 進んでいく
思い描いたもの 踏みにじるような あなたの大きさ
ここから まだ

「ごめんなさい」

言い続けて 想い続けているよ
ここにいるように 見つめている

風が流れる
揺らす香りは また少し違う 若い花
幾度も紡いで離さない 忘れない

わたしと あなた 


自由詩 YOU Copyright 黒ヱ 2014-12-08 05:57:35
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