水町
オイタル

水が集まる
眠らない真夜中のドアに

水道の蛇口が少しゆるんでる
しずくを跳ねている
泣いている 恋人の砦


水が集まる
朝日に映える信号の一列

三階建てのビルの裏に
水は巡る
翳る窓に漏れる日常の体液


 町を横切る希望に
 煤けた絶望に
 水は眠たげに手を振る


水が集まる
昼下がりの小学生の頭上に

風が光る千粒の飛沫
汚れた襟首に集まる
千粒の童心


自由詩 水町 Copyright オイタル 2014-12-07 21:31:44
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