奇妙な祝祭
塔野夏子

きらめく街に二重映しに
廃墟が黒々と微笑んでいる
何からの自由 何への自由

星が降る 壊れながら降る
その欠片が傷つけてゆく無数の意識
何からの覚醒 何への覚醒

君はいつ泣いていたの
いつまでこの記憶はつづいてゆくの
何からの自由 何への自由

色とりどりのパレードが哀しい
陽気に奏でられる音楽が果てしなくさびしい
何からの覚醒 何への覚醒

ベッドから見ていた窓枠の向こうの空
雲が幾重にも溶け落ちていた
何からの自由 何への自由

見張り塔の上から誰が見ているの
夢の扉の向こうに誰が消えていったの
何からの覚醒 何への覚醒

何からの自由 何への自由

何からの覚醒 何への覚醒




自由詩 奇妙な祝祭 Copyright 塔野夏子 2014-12-07 11:31:49
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