順応前夜
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明日の朝になったら
気付かないうちにあたしが
鮭の小骨になってて
どの食卓でもよけられて皿の端に置いてきぼりで
最後には
グルメな猫にも食べてもらえずに
入れられたゴミ袋を突き破りながらも
はたらきもののおじさんに
ごみ収集車に詰め込まれて
潰れて粉々になったって
まだ存在してしまっていて


あるのに
気付かれないことがどんなにかかなしいということ
貪欲にも知って


それから
あたしが小骨であろうとなかろうと回り続ける、
地球の一部になるために
可燃ごみであることを喜んで


明日の明日の朝には
雨もみみずもすべて受け入れて
自分は土です
という感覚に慣れようとしているんだ







自由詩 順応前夜 Copyright ________ 2005-02-02 01:55:58
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