keigo


怠惰な午後の着信。
「S駅近くの喫茶で5時」

「特別大売出し」の文字踊るチラシ裏に
思わず走り書き

道すがら
街頭で受け取った紙切れを見れば
目に飛び込んだのは
「あなたは神を信じますか?」
一瞥し、胸に去来する後ろめたさに
思わずゴミ箱へと向かう

無事にたどり着いた待ち合わせ場所
ところが
約束は文字通り破られた模様
「ごめん、急用。」
液晶画面に映る文字に茫然自失
途方にくれた俺は
またゴミ箱へと向かう

憂さ晴らしに一杯引っ掛けようかと
1枚の紙きれを10枚に両替し
白昼堂々、物言わぬ機械に挿入すれば
出てきたチンケな瓶には
「ビッグサイズ」のステッカー
どうでもいいけど
中の液体にただ酔いたいだけ

自暴自棄の一歩手前
家に帰ってふて寝でもしようかと
物言わぬ機械に吸い込ませた1枚の紙きれ
小さくなって出てきた紙片は
目的地への到着を約束したあと
機械に吸い込まれるけど

ちょっとまて
消費される紙くずの山と
いい加減な約束にまみれた人生を
俺はいつまで続ければいいんだ?




自由詩Copyright keigo 2014-12-05 20:10:22
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