指先の冷たさについて、
mugi



毛細血管のめぐるあおい突端の、

これよりさきはもう冬の海しかひろがっていない、

さみしい風景のなかで、年増の女が、

少女のように手にもったポリエチレンの袋を、

ふりまわしている、女は遠心力をつかって、

それをそらへと放ち、やがて落下した、

地球はまわっているのだという、

わたしは生きている、







自由詩 指先の冷たさについて、 Copyright mugi 2014-12-03 17:24:24
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