秋のフレイム
そらの珊瑚

黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた
今日は
明日には
乾いて固まるだろう

水と油は
混じり合わない
けれど
うっかり
なにかの拍子で
見つけてしまうのだ
哀しみの粒子が
流れつくところは
同じではないかと
そして
互いの手を
差し出してしまう

命の境界線は
使い古された刷毛が
そこをゆくたび
滲み出し
生と
失われつつある
生が
交じり合い
押し寄せてくる

ねえ、
壁なんかに
わたしを飾らないで
これはことづて


自由詩 秋のフレイム Copyright そらの珊瑚 2014-11-28 14:10:02
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