アイドルソング
フユナ

きみらは歌う
きれいなことを
夢やら希望
あいやら友情
本気や前進
そんなことを
ぼくらが疑い諦める
きれいなことを

綺麗事だと
踏みつけられながら
おそらく自分も
疑いながら
それでも光のように
(どんな世界も光があるように)
きみらは歌う

本気を信じて進もうとか
冒険をはじめようとか
ひとつ皆で
輪になって踊ってみようとか
なんどもなんども打ち捨て
踏みつけ
もっと賢く生きようと思い詰めた
きれいなことを
きみらは歌う
まるでそれは
この世界に捧げる祈り
諦めに垂らした
細い細い蜘蛛の糸

ねえ知ってるかい
暗がりの一人の子供が
テレビから流れた
そのうたの中だけの光を
信じて生きてきたこと
ありのまま なんかじゃない
あからさまな「希望」の海図に
この先のともしびを見て
今もめざしていること

きれいに足るぼく
きれいなことに似合う
ひと といういきもの

とどけ
きれいだからこそ
軽んじられ
軽いからこそ
あまねく世界へ
小さな人や
暗がりの人
貧しい人
ふとした瞬間にしか
うたに触れない人々に
とどけ
とどけ
前向きさよ
夢よ
希望よ
まだここにあって
疑いながら
誰かが奥底で信じてる
きれいさよ






自由詩 アイドルソング Copyright フユナ 2014-11-26 21:08:11
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