Holiday
梅昆布茶

休みの日
うだうだ家にいる

仕事では夜の首都圏を走る
赤羽 池袋 新宿 渋谷 神田 三田 五反田
駒沢 荻窪 吉祥寺 青梅

池袋や新宿歌舞伎町には
所在なげなあるいは
あきらかにナンパ目的の輩
大塚のホテル街では
デリヘル嬢の送迎の車と行き会う

一回走ると体も疲れるが
こころがざらざらになる

世界を拒否するわけではないが
細胞の集合体であるこいつを
とりあえず維持しなければならない

そのうえで
かりそめの自分という認識を確かめる

時間軸上で刻々と変化してゆく
えたいのしれない自分が
やはりえたいのしれない社会と対峙する

ものごとに整理序列をつけることで
かろうじて生きているのかもしれないとおもう

絵画は自由だともおもう
語彙を抽出せずとも形と色で表現できる

味覚も聴覚も
臭覚さえあるいは皮膚感覚も

すべてが現在の自分という
ちょっと曖昧なでも拒否することもできない
存在がかかえる大切な荷物なのかもしれないと思う

論理的な言葉だけではたぶん生きて行けないので
いつも君の言葉がすきになってしまう

言葉と言葉のすきまで
本当の表現を模索するひと
それが詩人なのかもしれません

日本中のセブンイレブンで
同じ味の食品が買える
なんて素敵なことかともおもう

休みの日
上野の国宝展にも行かず
ドアーズのグローリアを聴いている

ジムモリソンとか尾崎豊なんて
やつらの表現につきあうことが
けっこう楽しいのです

パワーなんていりません
必要なのは認識です

眼に見えないつまずきはいつも用意されています

僕はセットされます
いつもの日常に

それもとても素敵なことです

休みの日うだうだ家にいるのが
すきなんです




自由詩 Holiday Copyright 梅昆布茶 2014-11-25 13:32:06
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