揺れて風を切る  /  弾丸列車
beebee



(京葉線東京駅、東京国際フォーラムの朝焼け)





電車にもたれ
風を切る音に身を任せる
いつもは
意識の外に置いている音や揺れ
浮遊感に身を任せる


ゴー  ゴー  
カタカタ  カタカタ


軌道を走る鉄の塊の
空間ごと運ばれているという
一体感
大きな揺れ
微振動
時間を運ぶ電車に身を任せる


ヒュー  ヒュー
ドン  トン  ゴン


動悸の早い動物が
呼気を荒げて走っている
背中に捕まり身を任せる
反転し反転し
僕は功力に担がれた荷物のようだ


ゴー  ゴー  
カタカタ  カタカタ


それでも通過する駅の数は覚えている?


ゴー  ゴー  
カタカタ  カタカタ


擦過音や衝突音
持ち上がり落とされ
振り回される
逃れられない空間はしかし
共有する時間を持っている


ヒュー  ヒュー
ドン  トン  ゴン


丸まって読み捨てられた新聞紙ように
早くも1日の予定が風に
捲られていく
それでも冷たい空気に
所々のインクの染みが
新装本の香りもさせている!


ヒュー  ヒュー
ドン  トン  ゴン


早朝の弾丸列車は
運命も時間も閉じ込めて
みんなを一日の発着点へ連れて行く
無理矢理捕まるWiFiスポットのようだ



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それではもう少し
意識を飛ばしておくか!?















自由詩 揺れて風を切る  /  弾丸列車 Copyright beebee 2014-11-23 08:18:59
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