月の涙の下で
凍月



朝焼けの虹と青の淵
教会の十字架の左斜め上

月が泣いていた
涙を流していた

昨晩遅く
見たときは
あんな魅力的で
悪戯っぽい微笑をたたえていたのに

いま月は目を閉じて
消え入りそうで

何故悲しいの?
何故泣いてるの?

空がエメラルドグリーンに染まる頃には
君は世界に埋められる

月の瞼が見える
月の涙が見える
そんな気がして泣きそうになる


あぁ、でも
月は泣いている
優しく微笑みながら
月の涙が落ちて
世界は凍える

そして冬になる
すべての孤独な人のために
涙を流す月の下で
月光という涙の中で






自由詩 月の涙の下で Copyright 凍月 2014-11-21 22:40:39
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