たましい、冷たいから歯に沁みる
吐水とり

靴底に引きずる秋がしなびた、爪先から凍っていく
自販機は無関心に沈む
誰にも覗かれない口元で
そっと胃の中の小銭を罵倒して

木枯し
僕の夢もいでぼろぼろ
木枯し木枯し
乾いた唾液がへばりついく

僕はたましいを口にふくんで駅までの2キロを這う
伝線に鈴なりの死神があんまり面白いから
吹き出しそうになるのをこらえてこらえて

生命線がかじかんでぼろぼろ
ぼろぼろ乾く冬、冬の朝






自由詩 たましい、冷たいから歯に沁みる Copyright 吐水とり 2014-11-21 10:14:54
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