リゾット
梅昆布茶

街が饒舌な無意味で錯乱しているように
天使たちの尻尾がつかまらないままに浮遊している

あり得ないものを対比することに慣れてしまわないように
日々を煮詰めて抽出する

自分の組み立ての順序を考え始める
どうやらプラスチックモデルでもなさそうだが
不器用な部品の集積だとも想う

この世に仮寓するいのちの一つに列なる
繋がっているのならば返せない分せめて感謝ぐらいはしようか

今日の朝はどこにつながるのか考えてみる
単純に明日でもなさそうだが

特別なところへつながるパイプがぼくのなかに張り巡らされている
撓み捻れながらどこかへ何かを供給しているのだろう

時系列にしたがわない配列で感じるもの
自分ではわからない不細工なアーキテクチャーのままで
もうちょっと生きてみようか

所かまわずうろついても良いのだが
広辞苑の重みには収まりきらないあたり

はみだした出窓から
そこから朝の風景を見てみたいとたたずむ

空気がそよぐ
きみの瞳がゆるんで

ちょっと格別な意味を
放出したり
そんな隙間を生きる

どうやら無理やり決着つけるほどにも
運命と仲良くはないのだから

歩幅をさぐる
最後のうたを歌うためにも

出汁がほどほど出ているなら
リゾットなんていかがともおもうのだが



自由詩 リゾット Copyright 梅昆布茶 2014-11-20 11:43:12
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