君がすごしたリビング
朝焼彩茜色
君のいないリビング
殺風景でアウェイで時間しか癒しきれない悟り
時折涙の理由を問いたいくらいに溢れ出す
寂しいよ とても
君のいないリビング 心にぽっかりとあいた穴
寂しいよ とても
慣れない殺風景な空間に時間しか癒しきれない悟り
ありがとうしか出てこない 想い
ごめんねという些細な後悔が喉を焼きつける
もっと頭を撫でてあげれば良かった
もっとお話すれば良かった
もっと細かく砕いてご飯をあげれば良かった
もっとブラッシングしてあげれば良かった 毛づくろいをしなくなった君に
もっともっと・・・良かった良かった・・・
些細な後悔の奈落の渦の中
君のいないリビングが曇りを刺してゆく
君のすごしたリビング
ありがとうしか出てこない想い
君のすごしたリビング 窓から招かれる暖かい光の柔らかさが
今はまだ
寂しいよ
お空にいるお母さん!お願い あの子を抱きしめてあげて
三日間 虫の息で・・・・頑張ってくれたんだよ
疲れているはずだから 安らかに眠れるように
あの子を抱きしめてあげて!・・・・
19年と9か月 君がいたこと
君がくれた計り知れない 豊かさ
ありがとう 本当に
そして寿命を全うしてくれて ありがとう
19歳のおじいちゃん ありがとう
錦秋に映える空のもと
火葬を終え
君のすごしたリビング
君の寝床とご飯と水とトイレをかたづけた
君と出会わせてくれた弟と
君を一番に可愛がってくれた妹に
天まで届く感謝を送る
ありがとう