約束の礎
黒ヱ

横一線に 深く傷の入った樹
ここから離れることの出来ないひと
手を添えて

照光の遮りは 心地よくて
未だに傘の輪から 飛び出していくことができない

線の先の遠く はっきりとは見えないまま
番の蝶が飛ぶ 花をつけては透き通る
色の薄れる景色が見え 深きに潜る

「ねえ わたしも あなたじゃないとだめなんだ」

嬉し泣きで綴り 読んだ言葉 
この重さは 遠く咲き 垣間見る
凍った滝のよう


暗闇が降りて歩を進める ひとりで
冷たさが 思い出す日々を迎え入れる
無口なまま

何に怯えて 何に泣いて 至るのか
ただ一つだけ 無くしたもの

空を駆けて どこまでも高く翔んで行く そんなもの達だから
お互いに馳せ 染まりのまま交わし
また 幸せの意味に気付く


地から空へ 果てなく手を伸ばし 見つけたものが
抱き寄せ そして離れていき反対へ

「ずっと ずっと きみと一緒にいる」 

淵に立つ 青が広がっていく景色で
違う花抱き また駆ける
呟く言の葉は 聞かず残し
情景の彩となる

澄みの辺が奏でていく この歌を 
互いの目に映る 顔を見て
あの時とは何もかも違う 綺麗を思い
また呟く 幸せの言葉




自由詩 約束の礎 Copyright 黒ヱ 2014-11-16 03:32:25
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