たんぺんであったりする 2
桜 葉一
『告白1』
「私、あなたのことが好きです」
「うん、僕も好きだよ。君以上に、僕自身のことが」
『沢山あっていいもの、そうでないもの』
恋人が同時に複数いても、別にかまわないと思う。
好きな人は1人でいいけど。
『告白2』
「あぁなんて告白したらいいんだろう」
「言葉が多すぎるから迷うんだよね」
「なんでこんなに言葉が多いんだろう」
「少なくとも告白するために生まれたからではないようだね」
『付属品』
あんなにも好きだったのに、どうしたことでしょう。
きっと結婚にはもともと、そういったおまけがついているのだ。
『告白3』
「好きです。結婚してください」
「僕の何処が好き?」
「お金です」
「他には」
「お金以外にありません」
「……ごめん、君とは結婚できないよ」
「どうして? あなた、正直な人が好きって言ってたじゃない」
『三者択一』
「夢と愛とお金と、どれが一番大切だと思いますか?」
「お金でしょう? お金だけに『お』が付きます」
『告白4』
「ごめんなさい、正直に言うけど私、浮気してたの」
「……反省しているようだし、正直に言ってくれたから、今回は仕方ない。許してあげるよ」
「ごめんなさい。今回で100回目なの」
『欲張りなお願い』
「流れ星に3回も願い事するなんて不可能だよね」
「3回も言おうとするからよ」
『告白5』
「奥さんに、なんてプロポーズしたんですか?」
「『俺のパンツを洗ってくれ』って」
「へぇ〜でも、パンツを洗うのは洗濯機ですよね」
『いいわけ』
下手ないいわけは嘘をつく。
上手ないいわけは本当のことを言う。