UTA
nonya


デジタル信号に変換された
音色の濁流から
そのUTAをすくい上げたのは
ただの気紛れだった

はけ口を求めて迷走する魂を
水先案内するように
君のUTAは胸の裏地に棲みついて
僕の指にリズムを刻ませた

隙間だらけの壁をなんなくすり抜けて
恥ずかしいほど柔らかな心の底辺に
君はどっかりと腰を下ろした
許されてしまうあどけなさで

君はいったい何者?

たぶん
夢の見方を知っているね
孤独の味わい方を知っているんだね

身体じゅうに聞こえるよ
大袈裟に波立ったりしない
熱い血のうごめきが
笑って誤魔化したりしない
降り積もる憂鬱が

UTAうがいい
今を
自分を
ひたすら
ひたむきに

君の幼い魂の揺らぎに
シンクロナイズすれば
未来もそんなに捨てたもんじゃないと
思えてくるから




自由詩 UTA Copyright nonya 2014-11-15 12:54:02
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