都会
凍月



コンクリートの直方体に
鉄の芯が入り
表面がガラスで覆われた
無機質で重い建造物
その林の中にいると
美しい灰色の空気によって
吐き気がする

夜になると
別の世界が顔を出す
地上の暗闇に
天の星空をそのまま落としたようで
今日もゆっくりと雲を横切る
点滅する流れ星が見えた

朝になると
昨夜の世界は消えている
都会の昼は
夜の廃墟
夜の国の滅びた遺跡






自由詩 都会 Copyright 凍月 2014-11-13 23:16:11
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