コンビニエンストミステリーツアー
さわ田マヨネ
休日だから
チュッパチャップスはくわえたまんま
外はきれかけのボールペンみたいな
ぷつぷつとぎれる雨がふる
エンジン炊きたてだったから
中はまだしばらくはだざむいね
♭
いつのまにか
という速度で
アルフォートに浮かぶ舟にのり
昼さがりのバイパスを進んでみたい
あの完成されたかっぱえびせんのフォルムみたいな
なだらかなカーブをなぞるように進んでいきたい
そうやって向かいたいのが結局コンビニしかないんだけど
そういうのもうやめられないしとめれないからいいよね
気まぐれでひもQで結んでおいた約束がほろほろとほどけ
べたついてるからさわりたくもないという理不尽なきもち
暴力ってよりただふりまわしてたいだけなんだな
ボトルからちらばったキシリトールガムをふみくだいて
汚しながら磨いている気分になっていた床に
垂直に落下したバウムクーヘンがすこしだけはずんで
ほんのすこしだえんけいにゆがんだ
円盤型のUFOは実際こんな形なのだと思う
先日失恋したという友人のこころはどうにか
ベビースターラーメンチキンくらいのこなごな感でとどまっていて
生きて届ける!とかそういう
ヨーグルト売り場で戦うことを宣言させられていた乳酸菌たちとともに
少し休んだらいいのに、なんてこと思う
なめきったあともふくんでいた白い紙の棒が
ふやけてぼそぼそいっていて
なにもない休日は退屈にみたされいくみたい
それがそれなりにおいしかったという
赤色ににじみはじめた空模様が布ごしの体温とまざりあって
ポケットにはいるだけ買った
ブラックサンダーはいつのまにかという速度で
バイパスの中ひとしれずしずみかけていった