de-aiの散歩道
木屋 亞万

ローマ字で二文字の
幸せをもとめて街へ
電線に引っかかり
風にかき回されて
パリパリに砕けて
サラダにかけて食べられる
底にたまった薄まった汁
一つ残らず管に集めて
遠くへ投げたら
鳥に当たるよ
茶色い空は私にだけ広がり
他の誰もがしあわせを見る
そんな色は濁った眼には見えない
傘を開けば足元の国
首から下の世界を解き放つ
空なんて消えてしまえ
靴底と地面のこすれて
たまに小石をゴムが踏む
踏まれつくした雑草が
排水溝の脇で丸刈り
裾がきゅきゅきゅと鳴る中で
熱気がベルトで滞留する
犬も歩いて糞をして
誰も片付けないままに
干からび朽ちて
雨に流れる
街路樹の下の不定期な
水の滴りに鳥肌立つ傘
ばららばらららら
歩けあるけ
ちゃっちゃと足の裏が言う
考えれば考えるほど
誰も片付けないことばかりだ
これからいったいどうするんだ
すたんすたんと車が走り
びしびしタイヤが水しばく
笑いそこなったシャイなバイクが
ぼろろろぼろろと息をこぼして
aiなんてこの街には
一欠片も落ちていないじゃないか
うまいものを腹いっぱい食わしてくれる
茶色い幸せの匂いを追って
今日もお札はからっと揚がる


自由詩 de-aiの散歩道 Copyright 木屋 亞万 2014-11-12 21:48:18
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