青が崩壊する。
クローバー



しずか
と表現された沈黙は
「し」「ず」「か」
と音になって響く
だから
無音であることは
音を飛び越えることは
速さの中にしかない
普段ぬめりついた空気を意識することもなく
私たちは生きているのかもしれない
そんなことを思う
コントロール
ロール
皮膚の表面から剥されていく
先端から剥けていく空気を洗い流す
光しか知らない
方向は
上しか示さない
ターン
重力加速度このまま
青が崩壊する
生まれたてのぬるぬるとした部分が
新たに触れたひりひりと痛む全身を
赤子以来に感じ取る
音を置き去りにする
それは
言葉になる意識をも遥か後方に
羊水を吐くのが先か
息を吸うのが先か
叫んだはずだ
そう
叫んだはずだった
旋回する
計器は正常に稼働する
音が無い
白いのは全て剥がれ落ちた青。



自由詩 青が崩壊する。 Copyright クローバー 2014-11-12 21:02:17
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