海の終焉
瑞海



愛するあなたの骸を葬る墓を
あなたの好きだった海の前に

魂が抜けていると
どうも軽くなっているようで
身体までも天に昇っていくかと
思い 抱きしめました

せっせと穴を掘ります
あなたの大事にしていた本や
髪飾りや着物を一緒に入れて

骸拾いと呼ばれていたが
もうそれも終わりだと思う

真白の顔に雨があたるから
傘を差し出したら
ありがとう
が聞こえた気がして

涙止まず 雨も止まず
もう疲れて 溜息

ああ きっと
軋んだ身体は砂になり
涙は海へ還るのです


自由詩 海の終焉 Copyright 瑞海 2014-11-11 23:49:06
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